11月2日から8日の1週間、
「米朝ウィーク」と銘うった特別興行が神戸新開地の喜楽館で開かれました。
米朝は実家が姫路の神社であるため、仏式の法事ではなく、式年祭というものを行います。
そこで没後5年目の今年、関西各地で「米朝五年祭」と銘うった催しがあったのですが、新型コロナウイルスの影響で、2月に道頓堀松竹座で行われた芝居「なにわ夫婦八景」は、なんとか千秋楽を迎えられたものの、その後予定されていた落語会はことごとく延期や縮小を余儀なくされました。
今回の喜楽館も、座席を半分以下にし、また消毒や換気の徹底など、お客様にはご不便をおかけしました。そんな中、連日大勢の方にお越し頂けたのは、大変ありがたいかぎりです。
この度のプログラムは、一門の直弟子が「中トリ」や「トリ」を、孫弟子、ひ孫弟子が脇を固め、色替わりは、神事である舞楽の流れを汲む、太神楽が花を添えるという、米朝を偲ぶにふさわしい番組となりました。会場の様子も寄席のエントランスに手拭いや色紙が展示され、ホール内はパネルが飾られるなど、とても良い雰囲気の中、7日間を打ち上げることができました。
【昭和50年開催 東西落語名人選のポスター】
この喜楽館の興行をもって五年祭は締めくくりを迎えたわけですが、本来の定員である210席(+車いすスペース 2 )を88席に減らしたのは、八十八を組み替えると米の字になるから…か、どうかはわかりませんが、誠にライス…もとい、ナイスな判断でしょう。
文:桂 米平