今年で7回目となる恒例の「上方落語若手噺家グランプリ」が、
9月28日(火)午後6時30分から天満天神繁昌亭で開催されました。
7月に行われた予選を勝ち抜いた9名が出演。
新型コロナ感染対策で定員を半分以下に抑えた中で熱演が繰り広げられました。
「次代の落語家のスターを」をコンセプトに2015年から行われているこのグランプリは
アートコーポレーションの寺田千代乃名誉会長からアーツサポート関西へ500万円を寄付してくださった基金で始まったものです。
【出番前の出演者】
決勝に進んだのは、
桂九ノ一、月亭希遊、笑福亭智丸、笑福亭喬介、月亭遊真、
桂二葉、桂そうば、桂華紋、桂小鯛(決勝当日の出演順)。
優勝した小鯛さんのネタは自作の「落語夫婦」。
超落語ファンの夫婦が落語を愛するあまり、落語に登場する決まり文句で言い争うという噺。
「無我夢中でやりました。以前はどんなネタでと悩むこともあったのですが、
今回は目の前のお客さんに楽しんでもらうことだけを考えてこのネタにしました。
コロナ禍で落語ファンの、お客さんのありがたみというものを改めて感じ、
このネタが今の自分の気持ちに一番ピッタリなので演りました。ありがとうございました」
準優勝の桂二葉さんのネタは古典の「近日息子」
女性の落語家で初の受賞。
「嬉しいです!これって賞を貰ったって言っていいんですかね?(もちろんです)
賞というものをいただくのが生まれて初めてなんで・・
コメントも優勝用に考えてたのはあるんですけど、女性に古典落語は無理やでって
言われることがよくあって、そんなことないわって言えるのが一番嬉しいです」
決勝の審査員には在阪の各放送局のディレィターの方々に加え、今年から上方落語協会の
若手公演委員会から落語家も一人参加しました。
放送局の方の目に触れ、少しでもメディアで取り上げていただければ「次世代の落語家のスター」
にも近づけるのではないかと期待しています。
また優勝者には今後一年間、繁昌亭と喜楽館の昼席各6回、計12回の出演機会が与えられます。
小鯛さん、毎月どちらかの寄席の一週間の出番、お客様を大いに楽しませてあげてください。
桂 枝女太