繁昌亭15周年記念特別公演5週目は「宗助改メ二代目八十八(やそはち)襲名披露公演」と銘うち、米朝一門の担当です。
「八十八」は米朝が生前名乗っていた「俳号」で、この度、弟子の宗助が継ぐことになりましたが、この様に賑々しくお披露目出来ることは、昨今の暗いニュースが続く中で、久しぶりの明るい話題だと思います。
博識で端正な芸風といったイメージのあった米朝、そのため一門全体の印象も「正統派」と思われがちですが、案外そうでもありません。玄孫(やしゃご)弟子(孫弟子の弟子)まで入れると80人以上の大所帯で「十人十色」の言葉通り、古典一筋の者、新作に長けた者、両方を器用に操る者と様々で、また落語以外の余芸として、手品や音曲、珍芸などを得意とする人間も多く、実に個性的なメンバーが揃っていますので、今回の舞台でも、その魅力を十分お楽しみいただけるはずです。
数々の弟子がいる中「爆笑王」として今でも記憶に残る枝雀、「動物いじめ」「ウイークエンダーのレポーター」などからマスコミの人気者になったざこば、次期米朝を期待されながら早世した吉朝、実子の米團治などが、多くの門弟を育てており、今後も米朝イズムは継承されていくことでしょう。
その中でも異彩を放つ月亭可朝一門については、月亭一の人格者である文都がお話致します。それでは、よろしく…(ハードルを上げてからの無茶振り)
さて、米平兄よりバトンを渡され文都が月亭をご案内します。
米朝門下の筆頭可朝は前名桂小米朝から明治時代に活躍した【月亭】を復活。ギターを持って「♪ボインは~」で一世風靡しました。
その弟子の八方には、ただいま7人の直弟子、6人の孫弟子がいます。ウィークのプログラムには、今回の繁昌亭15周年プロジェクトの実行委員長を務める遊方をはじめ、テレビでお馴染みの八光、方正も賑やかに居並んでおります。また八方のおとうと弟子ハッチが珍しく参戦。
枝雀一門、ざこば一門、吉朝一門、米二一門、米團治一門らと肩を並べ、米朝一門ウィークは大いにバラエティに富むこと間違いなしです。どうか1人でもたくさんのお客様にお越しいただきたく、心よりお待ち申し上げております。
文・桂米平/月亭文都