入門15年を迎えた若手落語家たちが、繁昌亭昼席のトリを7日連続でつとめる「翔ぶトリウィーク」。普段は重鎮、ベテランがつとめる大役に挑みます。
自身のウィークが目前に迫った主役4人に、見どころや意気込みを語ってもらいます。
第1回は、9月22日からの週に先陣を切る月亭天使です。
──自分のウィークを控えた今の心境は?
「あまり緊張してません。というのも、自身の独演会や、今年4月、15周年記念で15日間連続落語会を経験したせいもありまして。大舞台でも、わりと落ち着いて迎えられそうです」
──エンジンがしっかり温まっている、という感じですね。どんなふうに過ごしていますか。
「普段と変わらず過ごしています。ただ、最近シミが気になりだしたので、いつ、シミ取りに行こうか悩んでいます。シミ取り後は日差しを浴びたらダメなので、タイミングが難しいんです! また、体調管理、健康増進のために美味しい梅干しを探しています」
──7日間の共演陣の顔ぶれは多彩です。
「今回、共演の皆さんのうち、2つの出番枠と、中トリの師匠方は私から出演をお願いしました。昨年は、番組全部をトリの落語家が決めていましたが、今年は上方落語協会の番組編成委員会の意見を入れ、番組が組まれました。
入門前、繁昌亭のスタッフと働いていた頃から、架空の番組を組むのが趣味だったので(笑)、どんな流れになるのか楽しみです。
また、同門の後輩、柳正さんが初めて、昼席7日間の前座を勤めるということで、それも楽しみです」
──トリでかける演目について、構想を練っていることと思います。
自作の新作落語もやりたいですが、今回は古典落語をメインに考えています。
初めて落語を聴いた方も、来てよかったと思ってもらえるようなネタを選びたいと思っています。
──ぜひ聴いてほしい演目があれば教えてください。
「師匠(月亭文都)から教わった『愛宕山』『鬼の面』はできれば高座にかけたいなと思います。
あと、まだ迷っているのですが、『浮かれの屑より』をどこかでできれば、と。
中トリで出演していただく桂あやめ師匠が、このネタを元に新作落語に改作してはるので、あやめ師匠に新作の方をお願いして、お客様にどちらも見てもらえればと考えています。
今年8月、ドイツのハンブルクにて一席(本人提供)
──「口上」も番組の目玉として注目の的です。
「『翔ぶトリウィーク』の企画をご存じないお客様も大勢、おこしになります。
そんなお客様も楽しめるような口上になればと思います」
──意気込みと、お客さんへのメッセージをどうぞ。
「繁昌亭スタッフだった頃、『繁昌亭っていう、落語の小屋ができたらしい。落語って面白いんかな。見に行こか!』というお客様のワクワク感がすごく漂っていたように思います。
今年の『翔ぶトリウィーク』第1弾として、上方落語や繁昌亭が再び注目されるよう盛り上げていきます。ご来場のほど、お願いいたします!」
文・んなあほな編集部