~自作の「発掘落語」も演じます~
入門15年を迎えた若手落語家たちが、繁昌亭昼席のトリを7日連続でつとめる「翔ぶトリウィーク」。9月22日(月)の週から始まりました。普段は重鎮、ベテランが担う大役に挑む主役4人の声をお届けします。
第3回は、10月6日(月)からの週に登場する桂鞠輔です。
──いよいよ来週ですね。日々の過ごし方に変化はありますか。
「変わらず毎日、子どもの世話やごはんをつくったり、舞台に育児に、バタバタです。
でも、こういう特別な機会をいただいたおかげで、自分と向き合う時間をいつもより毎日少しずつ増やしました。
少し丁寧に、自分にかける時間をあてさせていただいていることに感謝しながら、お稽古に励んでいます」
──鞠輔さんが共演を希望した師匠がたには、どんな思いを持っていますか。
「いつでも、さまざまなことに挑戦されて、楽しいことに向かっていかれている師匠がたの背中を見て、私も追いかけていきたいなぁと思って。
特に目がキラキラ&ワクワクされている師匠がたに、お声をかけさせていただきました」
──7日連続のトリでかける演目について、いろいろ考えていることでしょう。
ぜひ演じたい噺があれば教えてください。
「落語の仕事へいく間の子守代を少しでも稼ぐために、パートで働いていました。
一時期、ひょんなことから土器を発掘するパートをしてたんです。
そのときのエピソードをまとめた『発掘落語』を演じたいなぁと思っています。
ちなみに、私が掘りあてた手のひらくらいの大きな土器は、豊中の庄内にある郷土資料館にて、たまたまですが、翔ぶトリウィークとほぼ同じ期間、展示してあります。
よろしければ、のぞいてみてください。
9月4日、繁昌亭夜席「15周年の夜」の楽屋にて。2010年入門の同期生、月亭天使(左)、桂あおば(中央)とともに。
──さて、「翔ぶトリウィーク」では、主役が真ん中に座る「口上」も注目の的です。
本人は平伏したまま発言しないしきたりですけど、両側に並ぶ師匠がた、先輩がたに期待することは?
「アットホームな雰囲気になってほしいなぁ、と思います。とはいうものの、初めての口上で、自分が一番緊張でガチガチになってしまいそうですが、大きな先輩がたのお力をお借りしまして、なるべくリラックスして迎えたいですね」
──本番に向け、お客様へのメッセージをお願いします。
「ほっこり笑っていただけたら、とてもうれしいです。
それから当日は繁昌亭ロビーにて、初めての、ちょうつがいハンドメイドグッズの販売があります」
──ちょうつがい!? 鞠輔さんお手製の?
「はい。子どものころから、部品のちょうつがいが好きで、ちょうつがいを使ってチャーム(小さい装飾品)などをつくってみました。プレス機でハネ部分に紋の刻印もしてもらい、オリジナルちょうつがいもつくりました。
寄席の世界だけでなく、ちょうつがいの世界も、どうぞお楽しみに。
文・んなあほな編集部