第1皿 イカとトマトソースのパスタ(後)
憧れの桂あさ吉お兄さんと、これまたイケメン後輩の笑福亭喬龍くんとともに食材の買い出しに。会計はたったの700円ちょい!
驚きのやすい材料でつくるパスタとは、いったい・・。
期待と不安を抱えながら・・レッツ!クッキング!!
今回は調理場として、ふだんからお世話になっている方のお台所をお借りしている。
使い慣れた自宅の台所でなく、違う場所というのは実にやりにくいものだと思うが、
そのハンデを一切感じさせない鮮やかな動きで、鍋に大量の湯を沸かすあさ吉お兄さん。
あさ吉「海水くらいの塩っ辛さにして、パスタを茹でます」
──海水ですか?
あさ吉「そう。パスタが茹であがった時に、ソースができているように準備します」
喬龍「たしかに。一緒にしないとどっちかさめちゃいますもんね」
【食材の下ごしらえ】
しめじはいしづきを切り、食べやすい大きさに小分けにし、手でさいていく。
──しめじは手でさいたほうがいいですか?
あさ吉「そう。包丁使うのはいしづきだけで。おおぶりにしたいんで」
全部を1本ずつくらいにバラして、しめじの下準備完了。
続いてはイカ。
あさ吉「イカはね、鮮度落ちると白くなるんですよ」
──え? 白くですか?
あさ吉「そう。だからこれ黒いじゃないですか? まだいけるなーって」
そう話しながら、 胴体とゲソの間に指をいれ、中の肝を潰さないように連結部分を外し、ゲソを持ってゆっくりと中から肝を引き抜いていく。
喬龍「うわ。すごい。手際がすごいですね」
──すごいよねー。
胴体から軟骨を抜き、中身を水洗いし食べやすい大きさに切る。(だいたい1.5センチ幅)
あさ吉「イカから出汁が出るからねー」
──出汁ですか?
あさ吉「そう。だから味付けはシンプルでいきます」
──なるほど。いいですねー。
あさ吉「味の決め手はイカの肝で」
──え? 肝?
あさ吉「そう。鮮度が良かったらイカスミも使うけど。今日は肝だけで」
そういって、肝を取り出し包丁でたたく。
あさ吉「ゲソは、本当は2本ずついきたいけど、イカが1杯しかないから、1本ずつ分けます」
──なるほど
あさ吉「くちばしは食べられないから捨てます、ゲソもイボイボは、食感悪いから切ります。
水洗いして、塩でキュッキュッと洗って水で流します」
【ソース作り】
材料の下準備が完了。パスタを茹でて、いよいよソース作り!
パスタが茹であがる7分後(!)までに、トマトソースを完成させなければいけない!
ここからは時間との勝負だ!
が、ここでハプニング発生! トマト缶からプルタブがなんと、ちぎれてしまった!!
あさ吉「安いのは、こういうとこケチるから・笑」
プルタブがちぎれることに慣れてるのか? 落ち着いて缶切りでトマト缶をあけるお兄さん。
──さすが! めちゃくちゃカッコいい!! ←心の声
続いて
フライパンにオリーブオイル(なければサラダ油)を3分の2と、
にんにくチューブ小さじ1、
叩いたイカの肝をいれ、ごく弱火にかける。
イカの肝とニンニクの匂いがフワッと香る。
あさ吉「ここで、香りがたってきたらしめじをいれます」
喬龍「ああ。ええ匂いするう」
あさ吉「ここで飲み残しのワインがあったら、ちょっといれます」
ただ、今回はないので料理酒をほんのちょっぴり投入。
あさ吉「イカは、強火だと硬くなるので、弱火で火を通します」
イカの色が変わったら、トマト缶を投入。
あさ吉「塩はひとつまみ。鷹の爪のかわりに、一味をいれます」
一味は味を見てお好みで。
ソースがくつくつと煮詰まってきたら、茹であがったバスタを投入。
手早く絡める。
あさ吉「盛り付けしたら、バジルをちぎってもんで、香りを出して、飾り付けしたら出来上がり」
おいしそうすぎるー! 調理時間たったの15分! 一人前179円とは思えないビジュアル!
もうガマンができない!
予算外で赤ワインを抜いていただきます。
いざ実食。
──おいしー! めちゃくちゃおいしいー! 高い味がするー!」
喬龍「イカの肝が深い味しますね」
──たしかに。イカの肝がいい仕事してるー。
イカの肝の旨味は、一歩間違えると生臭さが勝ってしまうが、よく炒めてあるせいか、生臭さがまったくない。
そして、トマトの甘みとイカのつよい旨味で、口の中が中だるみしたとき、フレッシュバジルが口の中を一気にリセットしてくれ、もう一口!また一口!と、永遠に食べ続けたくなる。
あまりの美味しさに目がガン開きになる私。
気がつくとお皿が空っぽ。
──美味しかったー! ごちそうさまでした。
あさ吉「喜んでもらえて良かったですー」
【感想】
パスタソースの具材の下ごしらえは、面倒だけど、準備さえしたら、自宅で簡単に本格的なイタリアンが楽しめました!
ぜひ! イカが安く手に入ったときは、ご自宅で作ってみてはイカがですか??
文・桂ぽんぽ娘 写真・笑福亭喬龍 協力・桂あさ吉