【オンライン繁昌亭・昼席公演ライブ配信サービス】、お楽しみいただけていますでしょうか?
前回は視聴方法などをご紹介いたしましたが、その際お伝えしきれなかった舞台裏の様子を、今回は特別に公開いたします!
これをご覧になれば、思わず背筋がぞぞっとしちゃうかも…?
桂咲之輔師を中心に、パソコンが得意な若手落語家約20名が集まって結成された「繁昌亭配信組」。
このチームのメンバーが一人ずつ日替わりでオンライン繁昌亭の配信当番をしております。
具体的にどういったことをしているかというと、
機械の電源を入れて、パソコンの配信開始ボタン押して、
ちょいちょいカメラ切り替えながら、あとは終わったら配信終了ボタンを押し、
そのあとは掃除をして帰る。
これを毎日行っております。
…え?「誰でもできそうな簡単なお仕事」?
とんでもない!これが非常に気を遣う繊細な作業の連続なのです!
具体的な内容をご紹介。
まず、配信は13時30分、つまり繁昌亭の開場とともにスタートします。
なのでそれまでには専用ブースにてスタンバイ。
どこにその専用ブースがあるかというと、なんと客席の一番後ろ、
畳半畳ほどのスペースを簡易に仕切ったところにあります。
繁昌亭だから広さが半畳…というわけではないですよ。
<中はこんな感じ>
開始後しばらくは場内の様子を中継していることになりますが、ここからがすでに難しい!
カメラは複数のアングルを用意していますが、
場合によっては着席のために移動されているお客さんの顔が写ってしまうことがあります。
そこで、なるべく写らないようにこまめにアングルの変更、つまりスイッチングを行います。
入場時のスイッチングも行いながら、「まもなく開演」などのテロップ出しも行ったりちゃんと配信できているかどうか確認したり、
エラーが発生してえらいこっちゃになってないかチェックしたりなど、することがたくさん。
ですから片時も目を離せません。
なので「あ!今日は○○さんが配信当番なんだ!」と思っても、
できれば話しかけに来ないでくださいね。
たぶんみんな真剣に集中して怖ーい顔になっているハズですから。…それを確かめにも来ないでね(汗)
<舞台の様子を撮影するカメラたち>
さて、14時になりますと下座から太鼓の音が聞こえ、緞帳がオープン。
いよいよ開演です。本番が始まってしまえばボーっとできるのかというと、さにあらず。
ここでも画面とにらめっこしながら集中し続けています。
スイッチングしているアングルは3種類。
まずは中央寄りのアングル。
演者がどーんと大きく映る、基本的な構図です。
続いては全体のアングル。
舞台の端から端まで写りますので諸芸の方だけでなく、落語家が突然飛んだり跳ねたり、
さらには寝っ転がったりしても大丈夫なようになっております。
ちなみに、ごく少数ですがそんな演出を行う落語家も居ます。落語って奥深い!
<これが基本的な構図。実際の視聴画面とは若干異なります。>
そして、今回の配信だけのスペシャルアングル、それが斜めからのアングルです。
舞台向かって右側の出入りスペースを狙って落語家が登場する瞬間を撮影しています。
場合によっては羽織を脱ぐ瞬間だったり、
見台の下で何かこそこそやっているときの様子だったりを撮影することも可能なので、
ひょっとしたら普段見られない部分が見れちゃうかも?
この3種類のアングルを必要に応じて、さらに各々のセンスでスイッチングして、
臨場感のある映像をお送りしているというわけです。
なのでボーっとなんかしていられません。
ただ、すべては客席後方で落語を聞きながらの作業なので、
思わず大きな笑い声を出してしまいそうになることも。
だって落語っておもしろいから仕方ないよね(笑)
<これが斜めからのアングル。これも実際の視聴画面とは若干異なります。>
公演もどんどん進んで迎えた16時ごろ。
最後の落語が終わると、またまた下座から太鼓の音が聞こえ、緞帳が閉まります。これで終演です。
配信もこれでおしまいかと思いきや、もうひと作業。
なんと本日の演目のテロップ出しがあるのです。
普段の繁昌亭昼席同様に演目を皆様にお伝えするためですが、
落語に詳しくないといけないので日頃の勉強も欠かせません。
もっとも、パソコンで変換するので漢字を間違う心配はありませんが。
演目も出し終えてしばらくしたら「ありがとうございました」のテロップ出しをして今度こそ終了。
あとは掃除・消毒をしてサヨウナラとなります。
これで配信作業チームの苦労がお分かりいただけましたでしょうか?
終わったあとも「楽しい雰囲気が画面の向こうの皆様にまで伝わったかな…?」とか
「あそこはこうすれば良かったかな?」とか思うことも多々。
しかし、皆様に少しでも良いものをお届けできるよう、より楽しんでいただけるよう、
自己反省やメンバーとの相談などを重ねて日々レベルアップを図りながら毎日配信を行っております。
そんな裏方の人たちに想いを馳せながら、さらにオンライン繁昌亭をお楽しみいただけたら嬉しい限りです。
これからもたくさんのご視聴お待ちいたしております!
…ええ?「どこがぞぞっとする話やねん?」
いや、じつはこの配信作業スペース、ちょうど空調の吹き出し口の真下にあるのです。
今は場内の換気のために空調はフル稼働。
座席で座って聞いていただく分には全く気になりませんが、
さすがに吹き出し口の真下はちょっと堪えます。
つまり、寒いのです。だから、背筋がぞぞっと……。
我々も体調管理に気を付けながら頑張ります!
林家 愛染
オンライン繁昌亭視聴チケット
視聴チケットについては下記のURLからご購入頂けます!
7/22より、公演日当日の23:59まではその日の視聴券がご購入頂けます!
日本中どこからでも上方落語がお楽しみいただけますので是非!
https://t.pia.jp/pia/events/hanjotei/