花:「んなあほな」春団治一門担当の桂花團治です。9/6~12は、春団治・五郎兵衛一門ウィークということで、露の瑞さんと共にその魅力をお伝えしていきたいと思います。
瑞:よろしくお願いしまーす。
花:まず、春団治一門と露の一門がなぜ一緒にやるのかを説明せんとね。
瑞:私の大師匠・露の五郎兵衛師匠は、二代目春團治師匠の弟子で、三代目春團治師匠の弟弟子なんですよね。
花:そうそう。だから毎年恒例の「いけだ春團治まつり」も一緒にやってる。
瑞:露の五郎兵衛師匠は、春坊から小春團治になって、それから露の五郎、露の五郎兵衛。
花:今の小春團治兄さんが小春團治の三代目で、五郎兵衛師匠が二代目。その五郎兵衛師匠は、軽口仁輪加(かるくちにわか)の数少ない継承者の一人でもあったんやな。
瑞:仁輪加の名跡・一輪亭花咲(いちりんていはなさく)を襲名されまして、今はその名前を團四郎師匠が継いではります。
花:朝の連続ドラマ小説『わろてんか』にも、寄席の場面で團四郎・団六コンビが仁輪加をやってたけど、瑞さんはどんな芸か、知ってる?
瑞:仁輪加とは江戸時代~明治時代にかけて宴席や路上で行われた即興の芝居の事で、漫才などのお笑い文化の源流という人もいる…とWikipediaでみました(笑)。
花:それで今回のために7組の軽口コンビが生まれたわけやけど、組み合わせを決めたのは瑞さんの師匠である都姉さんなんやて。
瑞:そうなんですよ。わたしは花團治師匠と11日に出演ですよね。
花:お手柔らかにお願いします。それにしても、よくもまぁこんだけチグハグと言うか、デコボコというか、水と油というか…おもしろいコンビを考えたもんや。
瑞:6日は團四郎・団姫の師弟コンビですね。
花:8日は都・一蝶で肝っ玉母ちゃんとダメ親父コンビ。この二人のやり取りは楽屋でも普段から絶妙や。…逆に、この二人が楽屋で喋ってるのを見たことないという組み合わせもある。
瑞:仲が悪いってことですか?
花:そ、そんなこと言うてない。他に瑞さんのお薦めの色物(落語以外の演しもの)は?
瑞:みんなお薦めですが、なかでも露の眞姉さんの「どじょうすくい」は必見やと思います。動きがキレッキレ、笑顔も最高。それから、露の都の末弟にして、一番(年齢が師匠に)近い弟子の陽照さん。
花:…何やトゲのある言い方やな。
瑞:ものまねが絶品なんです。寄席の前はモノマネパブでも活躍してたくらいですから。それから紫姉さんの「玉すだれ」。私はいっぺんも観たことがありませんが。
花:観たことないんかい!
瑞:それぐらい貴重ってことで。
花:モノは言い様やね。…ということで、色物ばかりのご案内になりましたが、もちろん落語も充実してます。今年の「第30回・彦八まつり」(9月4・5日)の実行委員長を務める福團治師匠は御年81歳。これが見納めになるかも…って瑞、それは言い過ぎちゃうか。
瑞:え?わたし?何も言ってませんから!
花:そんなわけで、皆さん、
花・瑞:お待ちしてま~す!
桂 花団治
露の 瑞