公益社団法人 上方落語協会

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会長のご挨拶 12月

 今年も温かいご声援ありがとうございました。

 師走に入りなにかと慌ただしい日が続いております。
テレビや新聞では、連日今年を振り返るスペシャルな番組や特集紙面が踊っています。

 1日には、流行語大賞が発表され、高市総理の「働いて 働いて 働いて 働いて 働いてまいります」が大賞に決定しました。総理が表彰式に出席されたことにも驚きました。
 『トランプ関税」で赤澤大臣も出席されて2度びっくりでした。「お前はホワイトハウスの芝生の上にテントを張って寝泊まりしろ」だとか、大変あたたかい応援をいただたなどと笑いを誘うコメントを聞いて、いろんな意味で納得でした。
 私の中では、伊東市長の「19,2秒」がセンスといい馬鹿さ加減といい大ヒットでした。
 ことばを扱う人間の端くれとして毎年興味を持って見ていますが、初耳の言葉が年と共に増えていくのは寂しく、歴代の大賞を見るとだんだんに軽くなりとても「世相を写す鏡」とはいえないという声に納得です。

 他にも清水寺で発表される「今年の漢字」も「世相をうつす鏡」と言われています。こちらは、世相から漢字を選ぶので当然ですが、今年は「令和の米騒動」、「アメリカ大統領のトランプ関税」で「米」かと思っていたら、対抗馬「物価高」「高関税」「高気温」「高層マンション」で並んでいたが今ひとつインパクトに欠けていた「高」が「高市」「高支持率」「株高」で差し切る勢いです。「高血圧」の私の予想です。

 もう一つ「世相を写す鏡」に川柳があります。古川柳は普遍の人間模様で笑わせ、「サラリーマン川柳・サラっと一句!私の川柳」(第一生命)はイキイキと時代を表してくれています。私も好きで引用させていただくことがあります。
 では、歴代1位の中から一部ご紹介して時代の移り変わりを感じてください。

「ボディコンを 無理して着たら ボンレスハム」(となりのトトロ)1990年
「まだ寝てる 帰って見れば もう寝てる」(遠くの我が家)1991年
「いい家内 10年たったら おっ家内」(自宅拒否症)1992年
「我が家では 子供ポケモン パパノケモン」(万年若様)1997年
「ドットコム どこが混むのと 聞く上司」(ネット不安)2000年
「課長いる? 返った答えは いりません!」(ごもっとも)2003年
「オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る」(反抗妻)2004年
「昼食は 妻がセレブで 俺セルフ」(一夢庵)2005年
「うちの嫁 後ろ姿は フナッシー」(段三っつ)2013年
「スポーツジム 車で行って チャリをこぐ」(あたまで健康追求男)2017年
「会社へは 来るなと上司 行けと妻」(なかじ)2020年
「また値上げ 節約生活 もう音上げ」(健康奉仕)2023年
「AIの 使い方聞く AIに」(七夕するめ)2024年

 いや〜、時の流れを感じますねぇ。
 でも変わらずガンバルお父さんに拍手(パチ パチ パチ)

 12月の特別公演。繁昌亭はガンバル女流落語家公演「歳末吉例女流大会ウィーク」(7日まで)、喜楽館はガンバル中堅の競演「喜楽館AWARD2025決勝ウイーク」(7日まで)、米朝師匠を顕彰する「桂米朝生誕百年ウイーク」(14日まで)、トリが忠臣蔵にまつわる噺を勤める「忠臣蔵ウイーク」(21日まで)。

 では、一年の締めくくり。寄席で笑ってお過ごしください!お待ちしておりま〜す!

 公益社団法人 上方落語協会
   会長 笑福亭仁智