公益社団法人 上方落語協会

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会長のご挨拶 6月

 いつも上方落語をご贔屓いただきありがとうございます。
    さて先日、公演でうどん県坂出市に参りました。駅からタクシーに乗り外を眺めていると、美しい姿の山が見えてきました。
「きれいな山ですね」
    私が尋ねると、
「讃岐富士です」
「これが讃岐富士ですか。本家より大分小振りですね」
    すると運転手さんが、一瞬間をおいて、
「いや、富士山は三国一ですが、この山は四国一ですからね」
    見事に、一本取られました。
    全国に郷土富士は、それこそ山ほどあるそうです。北は、北海道の「利尻富士」から、南は沖縄「与那国富士」、そして、「台湾富士」に「オレゴン富士」、果ては、「カムチャッカ富士」に「千代の富士」?。
    その中で落語には、「矢橋船」で「近江富士(三上山)」と「都富士(比叡山)」が出てきます。
    日本では、昔からあらゆる物や人が、親しみを込めた異名・二つ名で呼ばれています。
    お城なら、白鷺城(姫路)、烏城(松本)、青葉城(仙台)。
    地名なら、大阪のキタ、ミナミ、ジャンジャン横丁、地方へ行くと必ずある「〇〇銀座」。
    偉人では、発明王(エジソン)、喜劇王(チャップリン)、音楽の父(バッハ)、新一万円札の渋沢栄一は、日本資本主義の父と呼ばれました。
    まだまだ、枚挙に暇がないほどあります。
    野球界では、神様・仏様・稲尾様(稲尾和久)、打撃の神様(川上哲治)、世界の王(王貞治)、アジアの張本(張本勲)、浪花の春団治(川藤幸三)。
    角界では、土俵の鬼(初代 若乃花)、角界のプリンス(元二子山親方・元貴乃花)、技のデパート(舞の海)、技のデパートモンゴル支店(旭鷲山)。
    オリンピック関係では、暁の超特急(吉岡隆徳)、フジヤマのトビウオ(古橋廣之進)、ひねり王子(白井健三)。
    そして、お待たせしました。落語界では、黒門町(先代 桂文楽)、星の王子様(先代 三遊亭円楽)、上方では、後家殺し(初代 桂春団治)、窓辺のマーガレット(桂 三枝、現六代 桂 文枝)などが有名ですが、まだまだあるので現役で思いつく方をご紹介しましょう。
    では、参ります。
    落語界のエンカイテイナー(桂 文福)、以下落語界のは略、くまのプーさん(笑福亭松喬)、妖怪人間ベロ(桂 文華)、山田邦子の寝起きの顔(林家小染)、中村橋之助(林家染二)、カルロス・ゴーン(桂 楽珍)、安倍晋三(桂 まめだ)、ラブリン(林家愛染)、森友学園の籠池泰典(桂 文五郎)、松坂大輔(笑福亭喬若)、えなりかずき(桂 枝光)、織田無道(笑福亭伯枝)、織田信成(桂 咲之輔)等々。
    ただし、いずれも自ら名乗って、頭に落語界のと付けるところが、なんとも噺家らしいところですね。
    皆さん7月の繁昌亭リニューアル記念スペシャル月間、協会員総出演公演に登場します。是非、確認してください。
    既報の通り上方落語家のホームグラウンド「天満天神繁昌亭」は、6月1日から改修工事の為1か月間休館し、お客様により快適に楽しんでいただけるよう劇場内の空調設備の入れ替え、1200個の提灯の新調、事務所移転に伴いロビー拡張し輪茶わちゃ庵移設(お客様の休憩、展示スペース)、外壁塗装工事、新チケット売り場新設、正面幟・提灯の新調、そして顔出しパネルも新調し、新しく生まれ変わります。
    7月の繁昌亭は、リニューアル記念スペシャル月間と銘打ち、協会員が日替わりで総出演致します。特に1日は、オープニングセレモニーとして1時頃から、大多数の噺家が紋付き羽織袴で勢揃いし、テープカットと振舞い酒でお祝いさせて頂きます。昼席では、31日まで連日口上があり、抽選で毎日1名の方に1万円、10名の方に記念手拭いをプレゼントさせて頂きます。そして、広くなったロビーで噺家似顔絵展を開催します。
   
    是非とも、新しい天満天神繁昌亭にご期待ください。
                                        笑福亭仁智