公益社団法人 上方落語協会

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会長のご挨拶 1月

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
いつも上方落語をご贔屓いただき誠にありがとうございます。
皆様どんなお正月をお過ごしでしょうか。
今年は穏やかな年であることを祈るばかりです。

 さて、今年の干支は、壬寅(みずのえとら)。壬寅は、「新しく立ち上がること」や「生まれたものが成長すること」といった縁起の良さを表しているそうです。厳しい冬はいずれ終わり、暖かい春が来る。冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、強く大きく育つ。それが「壬寅」であるとのことです。今年がそうなることを願ってやみません。

 トラは、現在、絶滅危惧種となり、野生のトラは、世界に約3000頭しか生息していないそうです。だだ、ライオンとともに人気者のトラだけあって、動物園などで飼育されているトラは、それ以上の数で、日本でも50くらいの動物園で飼われているそうです。

 落語にも登場します。代表的な噺は、「動物園」。おなじみの噺で、繁昌亭昼席の15周年記念でプレゼントした手拭い「天満天神繁昌亭ネタ番付」の、堂々西の横綱に納まっております。ちなみに東の横綱は、これまた不動の「時うどん」。
 
 「動物園」は、ご説明するまでもないですが、死んだ人気者のトラの皮を着て檻の中でウロウロして、日当1万円のアルバイトをする男に起こる一大事件。
 そして、「ねずみ」。左甚五郎が窮地の宿屋のためにねずみを彫り上げ、大繁盛する人情噺。さげに「木彫りの虎」が関係します。
 「ふたなり」では、おやっさんの自慢話の中に登場します。

 中国では、百獣の王と言えば「虎」であり、古くから武勇や王者の象徴として扱われてきました。日本で虎は、勇敢・強者を象徴しており、戦国武将の武田信玄が甲斐の虎、上杉謙信が越後の虎と云われていました。
 とくに白い虎「白虎」は風水における西の守り神ですし、子供を大事にする事から夫婦運や家庭内の愛情運が 上がるだとか。 「虎は千里をかける」と言われ、1日に千里を走るが、巣穴にいる子供を思い、また千里走って戻ってくるぐらい子供思いだそうです。ほんと虎の子ですね。

 今年は36年に一度の五黄の寅。
 九星気学では、「五黄の寅(ごおうのとら)」は十二支と古代中国の民間信仰である九星(きゅうせい)を組み合わせたもので、九星の「五黄土星(ごおうどせい)」と十二支の「寅年」が重なることをいい、五黄の寅の年に生まれた方は、五黄土星の「周囲を圧倒するパワー」と寅年の「強い正義感と信念、行動力」をあわせ持つ強い運勢を持つと考えられているとのことです。
 五黄の寅年生まれの人は、「生まれながらにリーダーの素質を持ち、周りを圧倒させるほどの強いパワーを秘めている」そうで、有名人では沢尻エリカさん、和田アキ子さん、レディー・ガガさん、サッカーの本田圭佑選手、大リーガーのダルビッシュ・有投手など。そういえば、というところもありますね。
 
落語家で「五黄の寅」で有名人といえば、初代桂春団治。大正から昭和の初め大活躍した上方落語を面白くした大スター。世相を落語に映し、ギャグ満載の爆笑落語に仕立て、SPレコードで多数残し、上方の面白落語の基礎を築いた上方落語の大恩人です。
とにかく発想がユニークで、「へっつい盗人」では、擬音をふんだんに入れ、おしっこの音(じゃじゃあ、じゃあじゃあ)、竹垣を退ける音(からかっちー、かっちー、かっちー)、石灯籠の頭が落ちた音(どんがらがっちゃ)、ひょろついて三輪車のラッパに手をついた音(ぷー、ぷー)、「手をついた音なら一回でいいのに、二回鳴ったのはどういうわけや」と聞かれて、「あんまりええ音やさかい、また押さえた」。とにかくぶっ飛びの面白さ。ほとんどが、CDになって今でも発売されています。

虎を名前に冠した有名人は、タイガーウッズ・タイガーマスク・車寅次郎・「初天神」のやんちゃ坊主の名前が「寅」、愛称は「とらこぉ」。
そういえば、阪神タイガースも昨年惜しくも2位でしたが、今年は寅年、昨年の勢いが続けば優勝間違いなし。知らんけど。

オミクロン株が気になりますが、天満天神繁昌亭、神戸新開地喜楽館、ともに元気に連日上演中です。

皆さまのご来場、出演者一同こころよりお待ちしております。そして、今年が皆さまにとり幸多き年でありますよう、お祈り申し上げます。

上方落語協会
会長 笑福亭仁智