公益社団法人 上方落語協会

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会長のご挨拶 1月

新春を寿ぎ、謹んでお慶び申し上げます。
 旧年中は、上方落語をご贔屓お引き立ていただき、厚く御礼申し上げます。 
 皆様に喜んでいただけるよう精進に努めてまいりますので、本年も上方落語をよろしくお願い申し上げます。
 さて今年は、十二支の干支頭の年。「子」と書いて「えとがしら」と読ませる場合もあるようです。子年、特に今年は「庚子」で、相性のいい年まわりだそうです。
 皆様にとりましても素晴らしい一年になりますよう、お祈りいたしております。
 ねずみは、人間にとり身近な動物で、良い意味でも悪い意味でもいろいろな場面に登場します。ミッキーマウス、トムとジェリー、ゲゲゲの鬼太郎のねずみ男、ねずみ小僧など超人気キャラクターから憎めない性格の男や義賊とすべて愛されキャラ。昔ばなしの「ねずみの嫁入り」などは子供心に話の筋に感心したものです。また、水墨画家の雪舟が涙でねずみの絵を描いた話は、小学校の教科書にも載っていました。
 もちろん落語にも登場します。まず小噺で有名なのは、
「おっと、手の中にねずみ捕まえた!」
「なんや、ちっちゃいなぁ」
「何、言うてんねん。こらおっきいわい」
「ちっちゃいわい」
「おっきいわい」
言うてますと、中でねずみが、
「チュウ」
これが意外に受けるのも、愛されキャラ故からかもわかりません。
 そして落語では、ずばり「ねずみ」に「ねずみ穴」ともに江戸の人情噺です。今は上方でも、福団治師匠はじめ高座にかける方が増えてきました。
 また縁起のいいところで、ご存知六代目松鶴師匠の十八番「高津の富」。実際のねずみは登場しませんが、一番くじ千両の当たり番号が「子の千三百六十五番」、二番が「辰の八五七番」、三番が「寅の五四八番」。庶民の一獲千金の夢、主人公がなけなしで買う羽目になった富札の当選を確認する場面など、ユーモラスに描かれています。昔も今も変わらぬ庶民の人間模様が、笑いにくるまれた上方落語の代表格です。
 昨年末の年末ジャンボ宝くじの当選金額が、前後賞併せてなんと10億円。当選確率2000万分の1だそうです。
 一方、高津の富の当選確率は、十二支×1,999(0001~1,999までとして)で23,988分の1良心的ですね。ただ1枚の値段が1分で、約25,000円は高い。
 いずれにしても買わないと当たらないのが、宝くじです。夢を買うには、安い買い物かもしれません。
 ねずみは、大黒天の使者と言われ、吉兆を表す動物だそうです。
 子年に期待しましょう。初夢、初詣、初笑い。「笑門来福」笑いは、福を呼ぶといわれています。
 是非、湊川神社へ初詣されたらそのあと新開地・喜楽館へ。大阪天満宮に初詣の後は、天満天神繁昌亭に。「そのままスルーするという選択肢はないやろ~」。 
 今年も変わらず上方落語をご贔屓の程、伏してお願い申し上げます。

  上方落語協会会長
笑福亭 仁智