公益社団法人 上方落語協会

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会長のご挨拶 12月

 いつも上方落語をご贔屓頂きましてありがとうございます。

 さて、いよいよ師走。大変な一年もあと一月となりました。

 

 ここで皆様にビッグなお知らせがございます。

 上方の噺家が大挙出演する「大阪落語祭」(主催:大阪府、大阪文化芸術フェスティバル実行委員会)が、12月1日(火)大阪松竹座を皮切りに、天満天神繁昌亭・動楽亭を中心に、大晦日のCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールでの千穐楽公演まで、大阪府内各地で約100公演開催されます。

 困難な時期ですが、来年へのステップになればありがたい限りです。

 

 そんな上方落語協会一丸のイベントが、今から50年ほど前にもありました。

私が仁鶴に入門した昭和46年は、ちょっとした上方落語のブームの時期でもありました。

 それまで上方落語は東京落語に隠れていましたが、深夜ラジオの人気者、仁鶴、可朝、三枝を入り口に、松鶴、米朝、春団治、小文枝各師の熟した落語を、団塊の世代を中心に初体験し、大きな波となって世間の知るところになりました。

 その象徴的な落語会が、その年11月11日大阪ABCホールで行われました。

「1080分落語会」ABC朝日放送が、開局20周年企画として主催した、その名のとおり1080分(18時間)の長時間落語会です。

 早朝7時の開演から、次の日の午前1時の終演まで上方落語協会の落語家全員(46人)が、入れ替わり立ち替わり、ぶっ通しで途中大喜利などを挟みながらの18時間公演でした。

 なんと、入門わずか8ヶ月目の私も出番を頂き、貴重な経験をさせて頂いたのです。ただ、当日はだいたいの出番順は 決まっていたものの 楽屋は工事現場の様相で来た人が次々出るというぶっつけ本番。私ももし隙間があれば、出番があるという状態で、いつ急にお呼びがかかるか分からない中、できるなら早く出たいと切実に願っていました。というのもネタはお任せなので、後になればなるほどネタに困るのです。 なんせ当時の私の持ちネタは、「道具屋」や「猪買い」など5本ほどでした。覚えたての「色事根問」は、すでに師匠仁鶴がさっき口演済み。

 頭の中で何をやろうかと思いめぐらしておりましたら、突然その時がやってきました。舞台進行の方から、「次の次お願いします。時間は、10分で」「はい!」。

 書き込まれた出番表を見ると、なんと出番は松鶴師匠のあと、しかも松鶴師匠のネタは、「狸茶屋」「いじめかっ?!」。

 覚悟を決めて「無いもん買い」を演りました。シーンとなったら、どうしようと心配してたんですが、えらいもんです。シーンとはなりませんでした。ざわざわしてました。

 

 会としては、大成功に終わり、次の年念願の定席「島之内寄席」が、始まるという飛躍の年となりました。

 

 今回の「大阪落語祭」も、来年に向けて縁起の良い会となるよう、出演者一同精一杯頑張ります。ちなみに繁昌亭では、大阪府民の方(要証明書)は、入場料金が500円割引になります。

 何卒、よろしくご声援の程、お願い申し上げます。

 終わりになりましたが、来年は皆様にとりまして、実り多い年になりますようお祈りしております。

公益社団法人 上方落語協会
会長 笑福亭仁智