公益社団法人 上方落語協会

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会長のご挨拶 9月

 いつも上方落語を応援いただきありがとうございます。

 さて8月26日から始まりました、繁昌亭昼席公演「林家愛染 噺家15周年 翔ぶトリウィーク」は、台風10号にヤキモキしましたが、9月1日無事千秋楽となりました。
 入門15周年繁昌亭で一週間トリを務めてのお披露目公演。協会として初めての試みのウィークで、このあと桂團治郎(9月16日~22日)、桂三語(11月18日~24日)、桂和歌ぽん(12月23日~29日)、桂福点(25年1月20日~26日)と続きます。暖かいご声援お願い申し上げます。

 そして、繁昌亭は今年9月15日開場18周年を迎えます。特別公演は3回公演で今年の趣向は、“上方漫才レジェンドに挑戦“と銘打ち、協会の重鎮から若手までが真剣に上方のレジェンド漫才に挑みます。
 再現されるレジェンドの師匠連を私なりにご紹介しましょう。

 『横山エンタツ・花菱アチャコ』 
 しゃべくり漫才の草分け。現在の漫才の創始者。「早慶戦」は、戦前ラジオやレコードで大ヒット。君・僕で会話し、野球実況中継の演出で「大きなモーション」「大きなモーション」「三間ぐらいのモーション」「そんな大きなモーションあれへん」、「球はどんどん伸びてます」「伸びてます。伸びてます」「来年まで伸びます」「そない伸びひんがな」、「バック バック」「オールバック」「これ、散髪屋やがな」。弟子入りした46年、師匠と毎日放送に行った控え室で約15分、花菱アチャコ先生と二人っきりで過ごしました。私の、ちょっとした自慢です。 

 『中田ダイマル・ラケット』 
 私の入門少し前に吉本に移籍され、ずっと舞台袖で拝見していました。恋人が偶然同じでジャンケンで決着をつけるストーリー。ジャンケンだけで5分ほど小ギャグ連発で爆笑をとり、ボケ、ツッコミ、乗りツッコミなど話術に酔える漫才でした。孫弟子の中田カウス・ボタンさんが「風邪引いて寝ててね」「布団は引いてなかったん?」の伝説ネタを継いでおられました。

 『人生幸朗・生恵幸子』
 「まぁ皆さん聞いてください」のフレーズで始まる夫婦ぼやき漫才。ビンの底のようなメガネにスーツ姿で庶民のぼやきから社会の不正、歌のおかしい歌詞を指摘し、「責任者出てこい!」と叫ぶと、相方で奥さんの生恵幸子師から「出て来はったらどうすんねん」「謝ったらしまいや」、最後は「うるさいわ、この天王寺の泥亀」「ごめんちゃい」、、、「ぼやき講座予定終了でございます」いつもたっぷり20分以上の高座でした。

 『かしまし娘』
 「♬うちら陽気なかしまし娘 誰が言ったか知らないが 女三人寄ったら姦しいとは愉快だね〜」で始まる女性音楽ショウの草分け。 その後、フラワーショウ♬ようこそ〜みなさま〜ご機嫌よろしゅう〜、ジョウサンズ♬さあさ〜出ました〜私らトリオ〜、ちゃっきり娘♬はぁ〜ちゃっきりちゃっきりちゃっきりな〜と、全て耳にも残っています。やはり音楽ショウは、理屈抜きに舞台が楽しいですね。

 『漫画トリオ』
 ご存知「パンパカパーン、パンパンパン、パンパカパーン。今週のハイライト」で始まる時事漫才トリオ。時事小話をテンポよく3人でコント風にアレンジしてわかりやすくセンスがよくスマートな舞台でした。

 その他、細かい説明不要の漫才ブームの牽引役。『横山やすし・西川きよし』、漫才ブームで大ブレイクした『今いくよ・くるよ』、M1史上最高得点『ミルクボーイ』の皆さんの舞台、どんな高座になりますやら乞うご期待。
 司会は、ABCアナウンサーで落語も得意の桂沙織さんです。

 その他、9月の天満天神繁昌亭・神戸新開地喜楽館バラエティ豊か笑どころ満載でお待ちしています! 

 公益社団法人 上方落語協会    
   会長 笑福亭仁智