公益社団法人 上方落語協会

search

会長のご挨拶 4月

 いつも上方落語にご声援いただきありがとうございます。  

 震度7の能登半島地震から早や3か月が過ぎました。
 当協会では、4月6日繁昌亭(おかげさまで完売)、4月21日、28日喜楽館に於いて、理事の落語家中心に「能登半島復興支援チャリチィー落語会」を開催し、入場料全額を日本赤十字社に寄付させていただきます。
 また、繁昌亭、喜楽館ロビーには募金箱を設置しております。
 ご来場の皆様のご協力を、こころよりお願い申し上げます。

 さて、突然降って湧いたようなメジャーリーグ大谷翔平選手の通訳水原一平さんの違法賭博疑惑。
 大谷選手の記者会見で、水原通訳の嘘についての発言があり、不安は和らいだものの残念ながらスッキリするには日にちが必要なようです。
 次のバッターが打つか打たないかなどなんでも賭けの対象になるという違法賭博、超大物スポーツ選手の情報を得るために胴元が、仕掛けて来るとの話もあり、体調の良し悪し、夫婦仲の状態など近しい人物が情報収集のターゲットのされるという話を聞きました。もし日本の落語が賭けの対象になるなら、さしずめ「今日繁昌亭で仁智がすべるか、ウケるか」でしょうか。そうなれば、弟子を引っ張り込み「昨日、打ち上げでせんべろでベロベロでした」「よし、すべりよるな」になるのでしょうか。

 閑話休題、4月1日は「エイプリルフール」、また4月のコロコロ変わる天気を「エイプリルウエザー」というそうです。
 繁昌亭のお隣、大阪天満宮では、「うそ替え神事」が初天神の1月25日に行われます。菅原道真公は無実の罪(うそ)で左遷されたことになぞらえ、これまで1年間の悪い出来事を鷽鳥(うそどり)に託し、皆と交換し合い吉にとり(鳥)替えるという一風変わった行事があります。
 落語では、ある所で優勝したら大金がもらえるという嘘つき大会が行われ、「私はこれまで嘘をついたことがありません」というた人が優勝したそうで、「賞金いただけますか」と聞いたら賞金も嘘やったという枕で始まる「鉄砲勇助」、泥棒に入られて凄まれたお手かけさん(東京ではお妾さん)が、機転(うそ)を効かせ、盗人を翻弄する「転宅」、嘘も方便、方便の嘘おべんちゃらがトンチンカンな笑いをうむ「子ほめ」等など。

 現実社会の悪質な本当の嘘は、騙されると大変ですが、落語に出てくる嘘を笑い飛ばして是非とも現実の吉にとり替えてください。
 4月第2週、私繁昌亭でトリとります。ホンマです。ご来場お待ちしております。

 

公益社団法人 上方落語協会
会長 笑福亭仁智