会長のご挨拶 11月
いつも上方落語をご贔屓いただきましてありがとうございます。
今年も残すところ、あと二か月となりました。
毎年恒例の「今年の漢字」の募集が始まりましたが、今年は何といっても「高」の字が思い浮かびます。物価高にガソリン高、金利高、さらには高市政権、記録的な高温と、さまざまな場面で「高」が目立つ一年となりました。また「天」の字も気になるところです。地震や大雨などの天災に加え、思わぬ出来事が相次ぎ、自然の脅威を改めて感じさせられました。
遅まきながら、12月に喜楽館で「令和8年激甚災害支援チャリティー落語会」(熊本地震、北陸豪雨、千葉豪雨)を開催させていただきます。
もう一年を振り返る時期になりました。
日本シリーズ、Wシリーズが終わると、毎年抜け殻になる一瞬がある私です。
特に今年スポーツの世界では、思わず手に汗を握るスリリングな戦いが繰り広げられました。
小噺 韋駄天
「おい、なんで走ってんねん?」
「盗人追いかけてんねん」
「町内で一番足の速いお前に追いかけられて、盗人も気に毒やな。で、その盗人は?」
「後から来るわ」
オリンピックは、速さを競う一方、華麗な技術で魅了する種目もあります。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、フィギュアスケート・ペアの「りくりゅう」組のSP5位からの劇的金メダル。国民栄誉賞の活躍と感動でした。
7月に開催されたサッカー男子ワールドカップでは、スペインがメッシ率いるアルゼンチンとの決勝を延長戦の末に1対0で制し、世界の頂点に立ちました。
このW杯では、日本のアニメ「キャプテン翼」が世界のサッカー選手に大きな影響を与えたことを改めて感じました。メッシは移籍決定時に「翼くんと同じチーム(バルセロナ)に行ける」と大喜びしたそうです。バルセロナの象徴イニエスタ選手はヴィッセル神戸に移籍したのも大空翼のおかげです。W杯得点王、エムバペ(フランス)もアニメのシャツをプライベートで着ているそうです。
恐るべし「キャプテン翼」
女子ゴルフでは、日本人選手たちの活躍が話題を集めています。全英女子オープンでの桑木志帆選手の激闘、そしてBMW女子選手権での吉田優利選手の鮮やかな逆転優勝。最後まで何が起こるかわからない展開に、スポーツの醍醐味を改めて感じます。とりわけ、吉田選手が前半の猛チャージで首位に立ち、後半はプレッシャーに耐えながら勝利をつかんだ姿は、まさにドラマそのものでした。
そして、アメリカの大リーグでも歴史的な快挙が生まれました。リーグ優勝決定シリーズで去年とは逆にドジャーズを4連勝で下した、ミルウォーキー・ブルワーズがタンパベイ・レイズを4勝1敗で破り、球団創設57年目にして初のワールドシリーズ制覇を成し遂げました。
中でも第4戦は、延長12回にブルワーズの新人が勝ち越し本塁打を放ち、勝負が決まったかと思われたその裏、レイズが逆転サヨナラ勝ち。土壇場での劇的な展開に、野球の怖さと面白さが凝縮されていました。接戦の連続で最後まで目の離せないシリーズでした。
日本のプロ野球も負けてはいません。クライマックスシリーズでは、セ・リーグのDeNAが阪神を相手に4連勝、パ・リーグではソフトバンクが日本ハムに負けなしで日本シリーズへと駒を進めました。
日本シリーズでも延長戦やサヨナラゲームが繰り広げられ、連日ハラハラする展開に。スポーツは、筋書きのないドラマであることを改めて実感します。
世の中には心配事や不安なニュースも少なくありませんが、スポーツがもたらしてくれる感動や興奮は、日々の暮らしに彩りを添えてくれます。勝者の歓喜があれば敗者の悔しさもあり、その一瞬一瞬に選手たちの努力と情熱が詰まっています。
神戸新開地喜楽館では、スポーツの秋。プロ野球好きの噺家が大集合して、にぎやかに今年を振り返る恒例公演。
~プロ野球応援ウイーク~(11月2日〜)
天満天神繁昌亭では、実りの秋。努力が実って栄冠獲得の三実さんのウィーク。
「桂三実 第12回 上方落語若手噺家グランプリ 優勝記念ウィーク」(11月9日〜)
寄席で落語を鑑賞して芸術の秋。終演後は、商店街の飲食店でゆっくり「食欲の秋」を。
公益社団法人 上方落語協会
会長 笑福亭仁智