昨年九月に行われた「六代目松鶴生誕百年祭」がこの度、大阪文化祭賞を頂戴いたしました。笑福亭の我儘をお許し下さった上方落語協会の全ての皆様、お力添えを頂いた各方面の皆様、そしてお運び下さった皆さまに心から感謝です。
先ごろ行われた贈呈式の模様を、編集委員でありながら出席出来ない竹林に代わり、百年祭の実行委員として出席した笑福亭生喬さんにレポートしてもらいました。しばしお付き合いください。
昨年九月三日から九日の一週間、繁昌亭や動楽亭で行われた「六代目笑福亭松鶴生誕百年祭」。この世紀の一大イベントの企画・成果が認められ、なんと平成三十年度の大阪文化祭賞を受賞することになりました。
受賞理由として「2018年が松鶴生誕百年、そして三十三回忌にあたることから、九月五日の命日に合わせて、70名以上の東西の一門のほとんどが集まり、直弟子・孫弟子・曾孫弟子らが個性豊かな高座を披露。亡き師匠への感謝や愛情があふれていた。同時に写真や手紙などのロビー展示も行う「笑福亭一色」のまたとない一大イベントを実現させ、改めて六代目笑福亭松鶴の偉大さを世に示し、伝えた」(一部抜粋)が上げられ、平成31年3月15日、中之島リーガロイヤルNCB淀の間で行われた贈呈式には、実行委員の内、仕事で欠席の竹林・たまを除く岐代松・伯枝・鶴笑・鶴二・生喬の五名が出席をいたしました。
黒紋付羽織袴で出席しようということで、ホテルの更衣室で着替えるつもりにしておりましたら、その日の午前中、5月に角座で開催される「六代目松喬七回忌~七代目松喬・生喬二人会」(松喬・遊喬二人会も開催)の記者会見があり、その際、昨年の大阪文化祭賞を受賞した七代目松喬兄さんに「この後授賞式に行くんですよ」と話したところ「えっ、会場に着替える所ないで」とのこと。「えーっ、そんなことないでしょ。リーガロイヤルですよ」「いや、リーガロイヤルを越えた所にある別の建物やねん。案内書に『着替える場所はありません』って書いてあったやろ」…ところが我々はその案内書を見ていない。大慌てで皆に連絡。繁昌亭の楽屋で着替えて、タクシーで行こうということになりました。
しかし笑福亭には落語家でありながら一人で袴を付けられる人が少ない。
「昔、ウチの師匠や松葉師匠、私らが袴を着付けたり、畳んだことがあったなあ」等と思い出に浸りながら今回も着付けのお手伝い。無事着替えもすませて、いざリーガロイヤルNBCへ!
二時から始まった贈呈式
「伝統芸能・邦舞・邦楽部門」は歌舞伎の坂東竹三郎さん。
「洋舞・洋楽部門」は大阪フィルハーモニー交響楽団。
そして「現代演劇・大衆芸能部門」が我々となったわけです。
写真撮影は百年祭でもお世話になった月亭天使さんにお願いし、オフショットもバンバン撮ってもらいました。
鶴笑実行委員長が代表として壇上へ。右手にはまさかのパペット松鶴師。これがまた大爆笑。和やかな贈呈式となりました。
式後の交流会では、私は坂東竹三郎さんに興奮(実はファン)。
淀川工業高校吹奏楽部出身の岐代松兄さんは、大阪フィルハーモニー交響楽団と同じ賞を頂いたと、これまた大興奮。
そして鶴笑兄さんは奨励賞を受賞した人形劇団クラルテさんの人形と夢のコラボ、ツーショットで、イカつい五人の黒紋付集団は終始笑顔でありました。
文・笑福亭生喬
写真・月亭天使