まもなく迎える繁昌亭15周年記念公演は各一門が1週間ずつを担当する。8月30日からのトップを飾るのは「笑福亭」、勢いよくスタートを切るために我々が選ばれた。と、力強く語ってくれたのは笑福亭ウィーク番組編成担当の笑福亭鶴笑師。2018年の「六代目笑福亭松鶴生誕百年祭」での実績から今回の笑福亭ウィーク編成を任された。
「笑福亭は個性が強い、それぞれのキャラが被らず魅力を存分に表現してもらえるように考えた。何より演者の皆が楽しんでもらえるように番組を作ったつもりやし、それがお客様にも伝わるはずやから。」
なるほど、どの日を見ても楽屋に笑いのあふれている光景が目に浮かぶ。当然、会場も大いに盛り上がるであろう。
六代目松鶴師匠が亡くなって35年、この笑福亭ウィークに命日の9月5日を迎えるため出演者それぞれが想いのこもった高座を努めることになる。現在の笑福亭は69名、そこに森乃と明石家が加わり総勢74名にものぼる。森乃は二代目から明石家は五代目からの繋がりである。体育会系とも言えるこの巨大な一門は、超有名人からここでは言えない様な人までが存在し、一人一人が認め合い、けなし合い、闘い続けている。私自身もその中の一人ではあるが、とにかく見ていて面白い。限られた枠の中で全員の出演は叶わないことがとても残念でならない。
鶴笑師に笑福亭ウィークの見所を聞いてみた。
「色物を入れず落語だけのガチンコ勝負、ルール無しの笑かした者勝ち。どの日も魅力的でカラーが違うので、毎日でも楽しんでいただけます。生の熱い笑福亭を堪能してください。」
その言葉からは笑福亭愛が満ち溢れている。嗚呼、笑福亭で良かった…。
巷では仲が悪い一門と噂されていますが、実際のところはどうなのかをご自身の目でご確認していただきたい。落語家の一門、東西見渡してもこれほどバラエティーに富んだ一門は他に無いと思います。お客様に喜んでもらうことを一番に考える、心優しい荒くれ者集団からは何代も継承されてきた笑福亭魂を感じていただけることでしょう。
笑福亭 恭瓶