2019年1月29日、天満天神繁昌亭夜席「上方落語協会内 西川梅十三(うめとみ)門弟会」が開催されました。
日本舞踊の西川梅十三師匠の「なにわ大賞・東大阪市長特別賞受賞」をお祝いするため、
上方落語協会内の門弟達で企画した、落語と日本舞踊の会。当日は超満員のお客様で大盛況。
披露された日本舞踊は型にとらわれたものではなく、
ローリングストーンズの曲「アンジー」に合わせて踊る月亭遊方師や大人の色気溢れる内海英華師、
たどたどしい若手やお座敷遊びで使われる踊りなど、一人ひとりの個性を生かした舞に笑いと喝采が飛び交いました。
上方落語協会内に日本舞踊の会が発足したのは9年前の2010年。
当時の副会長、桂春之輔師(現 四代目春団治)が若手噺家に踊りを習う機会を与えるため、上方落語協会に提案。
ご指導していただく方の条件は芸妓さん上がりで玄人の師匠をしている人。そう簡単に見つかるとは思っていなかったものの、
春之輔師の知り合いであった西川梅十三師匠に白羽の矢が立ちました。
「素人は教えたことおまへんけど、まぁ私でよかったら。」と快諾してくださり、
集まった若手落語家5、6人を相手に小さな稽古場から始まりました。
最初のお辞儀から教えてやってくれと言う要望に、子供に教えるように「まず両手で三角を作って、
そこに鼻を入れるようにお辞儀する」などの立ち振る舞いや挨拶、
「背中に『おおきに』と言う心を持って稽古場に入りなさい」と
気持ちの面まで、踊る前の準備からのスタートだったそうです。
そこへ若手だけではもったいないと入り込んできたのが笑福亭生喬師。
噂が噂を呼び、我も我もと集まり若手からベテランまで年季に関係なく、
現在は門弟18名の大所帯。週1回のお稽古に励んでおられます。
先日、上方落語協会会館2階で行われている稽古会にお邪魔しました。
この日集まったのは7名。お稽古の様子を撮影していると、
「あんまり撮さんといてくれ、あっちの上手な人撮っといて。」と、桂花団治師。
「ロックンローラーは日本舞踊も踊る…って書いといてや!」とは、月亭遊方師。
主張の強い人や控えめな方、それぞれの性格に合わせて手取り足取り指導される梅十三師匠に感激しました。
今回、上方落語協会の部活動紹介企画としてこの日本舞踊の会を取り上げたつもりでしたが、
他の部活動とは少々形が違っていたようです。部活動と言うより日本舞踊教室でしょうか…。
しかし、皆さんが楽しそうにのびのびとされている姿を拝見していると部活動という表現の方が合っているような気がしました。
梅十三師匠にこの会の名称をお尋ねしますと、
「そうですね…『ぼちぼち会』は、どうですやろ?」
上方落語協会内西川梅十三門弟会は踊りだけでなく、師匠のお人柄も吸収させてもらえるような集まりでした。
笑福亭恭瓶