~師匠ざこばのすさまじさを目指して~
入門15年を迎えた若手落語家たちが、繁昌亭昼席のトリを7日連続でつとめる「翔ぶトリウィーク」。普段は重鎮、ベテランが担う大役に挑む主役4人の声をお届けします。
第2回は桂あおば。9月29日(月)からの週に登場します。
──本番が迫ってきました。どんな心境でしょうか。
「案外、意識はしてないですね。日々、目の前の仕事とか、次の舞台でやらなあかんネタに集中して過ごしてます。でも、もっともっと本番が近づいてきたら、むちゃくちゃ緊張してきそうな予感はあります」
──共演陣のうち、あおばさん自身が出演を依頼した師匠方、先輩方もいます。
共演を望んだ理由は?
「ただただ面白い先輩。お世話になってる先輩。カッコいい先輩にお願いしました!
ほんま爆笑につぐ爆笑で、最後に僕が出た時にお客様が笑い疲れしてへんかな、、、が心配なくらいです・笑」
──ウィークで「自分のここを見てほしい」というポイントは?
「やっぱり、師匠ざこばが好きでこの世界に入らせてもらい、師匠のとんでもない高座、落語を間近で見せていただいてました。そのすさまじさの、ほんの少しでも僕の高座で出せたらなと思ってます。師匠の十八番の人情噺『子は鎹(かすがい)』もやらせてもらう予定です!」
──師匠のとんでもない高座、すさまじさとは?
「どんなお客様でもどんな場所でも、他の出番の方がウケてなくても、師匠は高座でしっかり自分の空気にして最後は落語できっちり大爆笑。そして人情噺でも最初のくすぐりとかでどっかーんと笑わせて、最後はあんなに笑い声であふれてた客席から涙で鼻水をすする音が聞こえてきてたのでびっくりしました。
師匠自身もたまに落語しながら泣いてましたが、、、笑
あおば主催の落語会の打ち上げ。笑福亭鉄瓶(右)、桂雪鹿(左奥)とともに。今年8月、大阪・動楽亭の近くにて(本人提供)
──番組では、中入り明けの「口上」も注目です。主役は舞台中央で平伏したまま、発言しないのがしきたりです。左右に並ぶ共演の皆さんに、どんなことを期待しますか。
「皆さん、僕のいろんな面や、プライベートなこともぎょうさん知ってくれてはると思うので、普段の和気あいあいの空気感で、楽しくあったかい口上になってくれたらなーと思ってます」
──舞台でバラされたら困ることは事前に口止めしといたほうがいいですよ・笑
最後に、意気込みと、お客様へのメッセージをどうぞ。
「繁昌亭でトリという、とても光栄で、そしてとてもプレッシャーのかかる位置で出させてもらう。その重みを感じながら、とにかく全力で目の前のお客様に満足してもらえるよう一心不乱に高座をつとめたいと思っております。
絶対絶対、楽しい昼席になります! 皆様、ぜひぜひ、足をお運びくださいませ!」
文・んなあほな編集部