将来の名人

将来の名人に聞く 【桂鹿えもん】

桂鹿えもん かつら・しかえもん
大阪府東大阪市出身
2014年10月1日、桂文福に入門

「コンカフェが好き」
独特のおかしみを放つキャラが持ち味

今回ご紹介いたします将来の名人は、桂鹿えもん、本名福山雅治、そんなアホな(なんで文福調やねん)。
ご存じ、桂文福師のご子息、桂鹿えもん君です、拍手~っ!(また文福調や)。

聞き手:桂枝女太


繁昌亭3階会議室にて

──師匠は実父の桂文福師。一応サラブレッドです(一応ておかしいけど)。
入門のきっかけは何だったんですか?

30歳のときに桂文鹿師に「やってみないか」と誘われて。
そのちょっと前に白鹿さんが入門してて「おまえも定職についてないんなら俺のとこへ来ないか」と誘われて。

(そうなんです。彼は最初は文福師の弟子の文鹿師に弟子入りしたのです。その後、実の父である文福師に再入門というかたちになりました。ただ芸名は文福師の考えもあって、文鹿師にいただいた「鹿えもん」をそのまま名乗ることに)

──初舞台は?

ええっと、忘れた。

──ええっ!? 忘れるかえ?

たぶん、私が生まれた瓢箪山の病院の跡地。

──跡地?

その跡地にできた施設です。

──そやろな。自分が生まれたところで初舞台ってなにか感慨深いね。師匠も出ていただけたの?

もちろん出てもらいました。

──そのときのネタは?

「十徳」でした。

──それはよう覚えてるんや。

うちの一門は最初は「十徳」をやることになってるんです。温かいお客さんで、そこそこ笑ってもらえました。

──よかったやん。年季はいつ明けたんかな?

僕は4年かかりました。(※1)

──まぁそういうこともあるよね。4年の年季中にどれぐらいのネタを覚えましたか?

4つですね。

──4つ??? 4年で4つ???

今はもうちょっと増えてます。

──そらそやろ。

最近は「一眼国」とか「風呂敷」とか。

──また渋いネタやね。

このふたつは露の新治師匠に教えていただきました。あと最近は「紙入れ」なんかも。
わりと短いネタが多いので、これからはもうちょっと長いネタもやりたいと思ってます。

──実の親が師匠というのはどうなん? なんかけじめとかはどうしてんのかな?
たとえば家の用事とかは?

まあ弟子入り前よりはちょっと多めになったかなと。

──ちょっとね・・・まあそんなもんやろな。言葉遣いとかは?

家ではタメ口です。外では敬語使ってますけど、家では今まで通りタメ口で。

──はぁ、まあそんなもんやろな。

父親とは仲悪いんで、家ではあんまりしゃべりません。

──まあそんなもんやろな・・・て、そんなん言うてええんかい!?
話を変えます。趣味はなんですか?
師匠と一緒で相撲なんかもよく見たりするんでしょうね。

相撲は嫌いです。

──あ、さよか。

趣味はゲームとかアニメです。ゲームはゲームセンターでやってるんですけど。
アニメというか漫画は師匠も好きですね。私は「ゴルゴ13」なんか好きです。
あと「笑ゥせぇるすまん」とか。これはネタにもなります。

──ゴルゴ13! ええねえ。

あとはコンカフェですね。

──コンカフェ??

コンセプトカフェ、メイドカフェにコンセプトが付いたみたいな。

──?????

コスプレなんですけど、いろんな職業のコスプレなんかでコンセプトがしっかりしてるというか。

──はぁ、それをコンカフェって言うんや。
(その話題のときに、このあと会議があるという私よりも少し先輩のS師匠が来られて、
その師匠もコンカフェ好きのようでふたりでかなり長時間盛り上がってました)


コンカフェの話のときはホンマに楽しそうです

──ええっと、それではもう時間も時間なんで、このあとこの会議室も使われるそうなので、最後に将来の名人としてのこれからの目標をお願いします。

落語でひとりで生活できるようになりたいです。

──たしかに・・・それが一番大事ですね。どうもありがとうございました。

<取材を終えて>
桂鹿えもんさん、独特のキャラです。
まだ芸歴11年ほどなので当然のことながらそんなに落語がうまいとか、名人芸とかではないんですが、聞いていてなんか安心できるというか、フワーッとしていられるというか、そんな世界に勝手に入っていってしまうようなおかしみがあります。
とくにマクラは、これもしっかり作られたネタというわけではないんですが、なんか、楽しいです。
他の落語家が真似のできないフラというものを持っております。(※2)
どうぞ将来にご期待ください。
文・桂枝女太  写真・桂結女花

編集部注
(※1)師匠のもとでの弟子修業を終え、一本立ちする時点が「年季明け」。
修業期間は3年の場合が多い。それぞれの師匠の判断により、長さには個人差がある。

(※2)「フラ」は本人が無意識のうちに何となくにじみ出る面白さのこと。落語の稽古を積んでも出せない、天性のもの。「あいつ、ええフラしてる」は本人にとってうれしいほめ言葉である。

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