今回、web版「んなあほな」が誕生しました。とても嬉しいことです。実は12年前に「上方落語広報誌」を作ることになり、ネーミングを無記名公募しました。そして命名者の栄誉を射止めたのは『ぼく』です。ちょっと自慢!ネットの世界で継続されると聞いて胸を撫でおろしています。
それとは関係ないとは思いますが、時間があると歩き回る(徘徊ではないかと)ぼくに、上方落語の舞台についてのエッセイをと承りました。不定期に拙文をアップさせていただきます。
その第1回は毎年9月に「彦八まつり」が開催される生國魂神社をテーマにします。
【生國魂神社の写真。彦八まつりのときの物で結構ですので、協会にあるものをお願いいたします。1枚で結構です】
生國魂神社のまわりにはラブホテルが沢山あります。好著『大阪アースダイバー』(中沢新一著・講談社)を引用すると、生國魂神社には「生島足島」という強力な神霊が、上町台地の突端あたりに住んでいて「生命力に満ちた、充実しきった霊力」を発揮していたとあります。
続けてこう記しています。その神霊に仕える巫女(みかんなぎ)は、河内王朝以来の重要な宮廷巫女でもあったとあります。たしかに以前彦八まつりのスタッフと共に巫女さんと一献傾けましたが、パワフルな飲み方でした。ですから元境内のラブホテル街は猥雑ではあるけれども、神聖な氏子作りに励んでいるのです。そんな艶笑小話もありましたね。
お宮さんの南側には「負の遺産」が残されています。昭和17年に空襲回避のため竣工された生玉公園があり、ここには行政(大阪市)が建設した「都市防空壕」があるのです。
内部は見たことがないですが、表には「生玉公園地下壕」という案内板があります。ぼくは名文だと思いますが、考え方の違う方もおられ議論になっているようです。
【生玉公園】
彦八まつりでお世話になっている中村権禰宜から伺いましたが、以前神社の参道は上六駅までズドンと通っており、かつては流鏑馬が行われていました。明治の大火によって途切れたのですが、今でも「走馬神事」として名残を留めています。毎年「こどもの日」にニュースなどで紹介されますねぇ。付近には「馬場下(先)」という地名も残っています。
生國魂神社というと、まずは「曽根崎心中」の「生玉社前の段」ですが、上方落語の珍品で「蛸坊主」という演目もあります。まず掛かることはありませんが、後半は囃子入りの賑やかな噺です。舞台は境内にある蓮池畔の料理屋さん。藤の季節になると棚にいっぱいの花が咲き下がります。そこへ来たのが怪しげな4人の僧侶。これが今で言うクレーマーだったんですね。さてどうなるのか?なかなか爽快なオチが付いております。聞きたい方は演題指定の余興でお呼びいただいたら、ぼくがこれから覚えて御座敷へ参ります。まずは3,000円から…安いなぁ~。
最後にちょっと私事を宣伝します。『大阪あそ歩』という多少マニアックなガイドツアーがあります。ぼく(仁勇)もガイド登録をしているのですが、上方落語をテーマにしたコースを担当しています。参加していただける方は必ずご予約をお願いします。
実施日時
10月23日(月)13時
参加費用1,500円(小学生以上)*当日お釣りのないようお持ちください。
定員15名
集合場所 京阪本線天満橋駅 東改札口前
所要時間 2~3時間
ご予約は「大阪あそ歩」のホームページから
https://www.osaka-asobo.jp/