公益社団法人 上方落語協会

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協会からのお知らせ

第27回彦八まつり レポート

27回彦八まつり

 

去る9月2日と3日の土日に、谷町九丁目にある生國魂神社(大阪市天王寺区生玉町13-9)で恒例の上方落語家のファン感謝デー『彦八まつり』が行われました。

 今年はいつになく好天で、例年以上のお客様で賑わいました。

【第27回 彦八まつり】 

 彦八まつりは、上方落語の祖といわれている「米澤彦八」を顕彰するおまつりで、毎年9月の第一土曜日と日曜日の2日間開催されます。毎年落語家が交代で実行委員長を勤め、今年の委員長は桂雀三郎師。ひょうきんな師の性格を反映してか、楽しく華やかなまつりになりました。
 参集殿での落語会、野外ステージでのイベント、そして落語家が運営する各種の出店。なかでも今年の企画として、落語家のど自慢大会と手押し相撲大会は出場者の落語家が優勝賞金3万円をかけての文字通り命がけのイベントになりました。

【噺家のど自慢大会 優勝の桂坊枝】

 


【手押し相撲大会 決勝戦の笑福亭風喬 VS 桂和歌ぽん】

 のど自慢の優勝者は、この「んなあほな」前編集長の桂坊枝。そして手押し相撲のチャンピオンは笑福亭風喬でした。来年はどの一門の誰の頭上に栄冠が輝くか(企画が続けばのはなしですが)。 

 彦八まつりは毎年雨に祟られます。天気の良い日でもいわゆる夕立というやつで、急にどしゃ降りの雨になったりなんてことがよくあります。ちなみに私が担当してます五代目桂文枝の焼うどんの店「文枝茶屋」。鳥居を入ったすぐのところという、まことに良い場所をあてがわれておりますが、ちょっと低くなっているようで、雨が降ると店内水浸しになってしまいます。周りからの水が流れ込んでくるんです。その水を掻き出したり土を掘って水路を作ったりと、毎年2時間ぐらいは焼きうどんを焼かずに土木工事が始まるという悲惨な状態でした。ところが今年は雨の心配が一切なく、また気温の方も日向では32度前後まで上がりましたが、日陰に入ると秋を感じさせる絶好のまつり日和で、落語家の疲労度も例年に比べ軽かったのではないかと思います。

【五代目桂文枝の「文枝茶屋」】

 大阪だけではなく近畿各地から沢山の落語ファンの方たちが来られ、なかには東京からのお客さまもいらっしゃいます。ところがこのまつり、大阪でもまだご存じない方も多くおられます。私は豊中市に住んでますが、豊中や池田、箕面の友人に誘いをかけても「いくたま神社てどこ?」「谷九」「それなに線?」「地下鉄の谷町線」「谷町線?どっから出てんのん?」こんな調子です。大阪でも北部の人間にとっては谷九はかなり遠いという感覚があるんですね。まだまだ頑張って宣伝しなければと思った次第です。

  来年は、9月1日と2日の予定です。皆様のお越しをお待ちいたしております。

 文:桂 枝女太